釣り人も避ける工業地帯の海の中は死の海なのか?
釣り人として、また工業地帯に40年以上務めた人間として、この海域の環境が
どんな感じなのか、ずっと知りたいと思っていました。
ほぼ1年中、工場排水が排出され、他の海域と比べて海水温が高いでしょうし、
基準値をクリアしているとはいえ、色々な成分が含まれているでしょう。
果たして、海の中は死の世界なのか、はたまた・・・・?
昨年の冬から、海中の観察を始めました。カメラを海中に沈めて、映像が安定したと
ころの1コマを写真にして、映ったものを確認します。
今回は、釣り人に大人気の「倉敷市サノヤス波止」です。ここは工業地帯の出入り口と
いう位置で、工業地帯の真っただ中ではありませんが、影響は少なからずありそうな
そんな所です。
私は、海底は一面ヘドロと石で、魚以外の生物は見えず、濁った水を通して沢山の沈
んだゴミが見える・・・・ そんな映像を予想していました。
それでは海中の写真です。前半6枚は12月~1月、最後は4月の撮影です。
オレンジのものは「カイメンの仲間」なのでしょうか? この手の図鑑が見つからず、ネットで見る断片的な情報で、これかも? と思う種をあげています。
これは ナマコですね。撮影のたびに数匹は映ります。波止の半分から沖の底は大きな石が多いです。
左はケヤリムシの仲間が近いのでしょうか? 分かりませんが。 他にも赤や黄色の
何かが映っていますが種類は分かりません。
波止の岸側半分の底は砂+泥です。あちこちにゴカイみたいなものが映っていました。
これもケヤリムシの仲間が近いのでしょうか?難しいですが不思議な生物です。
黒いものは一見ガンガゼかと思いましたが棘の先端が曲がってるので、ハナギンチャクの仲間とかでしょうか? これも分かりませんが。 右にナマコがいます。
中央に、カタツムリ型のオバケみたいなものが見えます。何なのか全く分かりません。 それともゴミがそう見えるのでしょうか? 怖いです。
4月は、カメラが海藻の林に埋まってしまいました。何かの稚魚の姿も見えました。
これらの光景には、正直言って驚きました。「どうせヘドロだらけ」と思っていた海に
こんなに色々な生物が生きているなんて。
透明度も、想像していたよりもずっと高いです。
この状況を知って私が思うのは、釣りに行った時はゴミを捨てない様にして、出来れば
拾って帰ろう。海の環境を悪くする様な釣りは自粛しよう、ということです。
この写真を撮影しても、海の環境が良くなる訳ではありませんが、まず、現状を知る事
ができました。私にとってはとても大きな一歩です。
次回は工業地帯の一番奥の海域を取り上げます。厳しい環境かと思いますが、また何か
良いものに驚きたいと思います。