コショウダイを狙って探り釣り
先日、海中撮影で映ったコショウダイに期待して、夜釣りをしてきました。チヌの群れの中にいたので、得意の探り釣りで、岸壁際のチヌを狙えば良いだろうと思ったのですが、結局、セイゴ釣りになってしまいました。
<釣果> 小チヌ=5匹(ほぼ10cm) セイゴ=10匹(25cm~55cm)
今年は、チヌの良型に巡り合わせてもらえないようです。
穴釣りとは違う探り釣り
他の探り釣り師の技を見ようと、ネットで「探り釣り」を検索すると、「穴釣り」ばかりが出てきます。時代、地域などで違いもあるのかもしれません。
私は、昭和末期に師匠から教わった、短竿での探り釣りに深くハマりました。
当時の瀬戸内で探り釣りと言えば、長い延べ竿+長い枝張り仕掛けでメバルを狙うスタイルが主流でしたが、人知れず忍者のように探る短竿スタイルの人も、地味に存在していました。近年、同業者に会う事は無く、もう絶滅危惧の釣りかな~と感じます。
<道具>
1、竿:2m台のグラス竿で竿先の柔らかいもの
リール:何でもよい
糸:道糸は3号、ハリスは1.5号
2、餌は青虫ちょん掛け
3、仕掛け
胴付き仕掛け(2号×60cm、枝針25cm+チヌ針3号)
根掛かり対応で、オモリを外れやすく。ハリスの付け替えは簡単な結びにしています。結びはシンプルな方が強いと聞いた覚えが有ります。替えの仕掛とハリスは四角に切ったダンボールに巻いていました。みんな昭和の発想です。
底の釣り方(カサゴの場合)
緩んだ糸を張っていく段階で「ぶるぶる」とアタリがあれば、それはカサゴなので、そのままスピードを変えずに上げ続ける。→自然に針が掛かる。アタリが違っていた場合は、少し丁寧に食い込ませる操作をします。
底の釣り方(チヌの場合)
グイッとか、コンッとかのアタリの場合、チヌだと考えて食い込ませます。
誘い続けず、送りと誘いで食い込ませます。アタリを見て、対応を変えます。カサゴなど根魚の場合、対応が遅いと根に潜られます。身に着くまでだいぶ失敗しましたが、夢中になって釣りまくりました。
捨て石の沖側を狙う場合
岸壁際が浅いとか、食いが悪い場合は、捨て石の際を狙います。水深、距離などに応じて、オモリを1号程度に重くして投げます。糸を緩めて漂わせ・・・・
糸を張っていき、食い付かせます。
やる事は岸壁際の底釣りと同じです。それを斜めにやります。チヌらしき場合は、しっかりと誘って食い込ませ、カサゴらしき場合は引っ張り続けます。途中で引っ張るのを止めると、根掛かりし易いです。石の際は根がかりや掛けた魚の取り込みに失敗するリスクがあるので、数m向こうに投入してグニグニ探るのも手です。
この日はまず、岸壁際、海面下2~3mを探りました
昔、3m位沈めてから1歩前進し、そ~っと斜めに誘い上げる釣りを教わりました。コスリ釣りという釣りだと聞きましたが、正しいかは分かりません。
コン!というアタリで → 誘い上げを止めて即座に糸を送り、またコン!でまた送って・・・・食い込んだ!と思ったら勘で合わせろ、ということでした。私は苦手でした。
しかも、仕掛けを投入したのに沈まない、上げようとしたらチヌが咥えていたという事が何度もあり、これって出合い頭の落とし込み釣りになってるよな~。でもコスリ釣りの様に広く探る方法はないかな~・・・・と思っていました。
----時は流れ----
いつしか私の釣り方は、ガン玉を付けた仕掛けを、少し先の岸壁際に落として、振り子の様に餌を動かす、半自動のコスリ釣りの様な形になりました。釣果がアップしたので師匠は怒らないと思っています。
この日も、これでコショウダイが釣れないかと試してみたのですが、餌がかじられてばかりで、丁寧に誘って~掛かると当歳魚のチヌという結果でした。
岸壁際の浮かべ探り釣り
大きいチヌ、コショウダイにアピールできないかと、釣り方を変更しました。
要はオモリ無し。
岸壁と平行に投入して、糸の抵抗なしの状態で、針の重さでゆ~~っくりと沈ませます。時々、僅かに糸にテンションを掛けて横に誘います。
この釣り方では、大型のチヌもゴンゴンと明確なアタリを出してくれます。しかし、アタリの後は食い込ませて掛けるという操作が必要です。食いの良い時は、どうやっても釣れてしまいますが、そうでない時は、何かしらの対応が必要だと思います。(下の写真は一例)
という実績から試してみましたが、この日は小チヌから逃げることはできませんでした。そして、灯るい海面にはセイゴの姿がちらほらと見えていました。
前方の浮かべ探り釣り
今や高価な青虫を、投入するたびに小チヌに齧られる状況にウンザリした私は、大チヌとコショウダイを諦めて、セイゴ狙いに切り替えました。
仕掛けを数m投げて、照明に照らされた海面へ浮かべます。クネクネする青虫が、ゆ~~~っくりと沈んで・・・・見えなくなります。
放置。糸が灯りと暗がりの境目あたりに達して・・・・・・
グンと手応えがあり、糸が出て行きます。タイコリールが逆回転します。
3m~5m~8m・・・・もういいかな?と思って、タイコリールの回転を止めると、途端に糸が飛び出して行きました。タイコリールのクリック音が連続して鳴り、気持ちが昂ります。魚は速いスピードで周辺を走り回り、1度だけエラ洗い。1.8mの筏竿が気持ちよく曲がって楽しめました。
今は、サクラの筏竿(グラス)で一番柔らかい1.8mの竿を使用、リールはオーランドです。
約55cmが一番大きな魚でした。痩せてますね。体力ありませんでした。
結局、この日は、大チヌやコショウダイの日ではありませんでしたが、セイゴが遊んでくれました。
この前方浮かべ釣り(私が勝手に命名)は、大昔にやっていたシーバスのフライ釣りをイメージしていますが、短竿とタイコリールと青虫で純和風にやっています。
大昔に、ルアーのシーバス釣りも10数年やっていましたが、短竿が柔らかいせいなのか、同じ魚と思えないほど大人しい暴れっぷりです。しかし、短竿の心細さと、超スローな誘いからの突進で、独特の面白さを感じています。
この釣り方、50cm級のセイゴ(ハネ?)と、45cm前後のチヌが、時々、釣れます。
探り釣りは自由
私は「探り釣り」を、昭和末期に師匠から教わりましたが、その後、勝手にアレンジして今に至ります。
未だに、あーでもない、こーでもない、と工夫を凝らして絶滅前の探り釣りを楽しんでいます。そんな私に「おぉ、好きにせえ」と師匠は言ってくれるんじゃないかと思っています。
浮かべ釣り、もうちょっと何かプラスしたいです。それはまた今度。